2008年10月17日
イチローズモルト17年SingleCask

1990年〜2008年 Cask No.9414 55.5% 237本
三陽物産株式会社主催のModern Malt Whisky Market 2008で
発売がアナウンスされたシングルカスク。
イチローズモルトはほとんどがホギーで熟成されているが、
珍しくバレル熟成のシングルカスクとなっている。
香り
泡立てた牛乳の様なクリーミーさに、栗の甘露煮の柔らかい甘さ、
焦した麦のコクのある香ばしさ。
メロンの皮、畳や干し草。そしてピート由来のフレッシュレモンのツーンとした酸味。
軽くファッティで高級感が漂う。
味わい
最初に羽生らしいベリー系の甘味と、煎り豆やビタミンを「ふわっ」と感じ、
そしてすぐに口の中で「じゅわっ」と広がる、メロンをはじめ、甘栗、
カスタード、レモン、マーマレード、マンゴー、マドレーヌなどの様々な甘味。
やがて白檀や高級家具が現れる。
それらの素晴らしい味わいが弱まってくると、
軽いスパイスの中にピート感の無い炭(木炭)の灰汁や、
栗の渋皮のタンニンの様な渋味が快く響き、甘味をしっかりと引き締める。
加水後の味わい
香りに快いエステルと清涼飲料水の甘味を感じる。
味わいは一瞬、薄くなった様にも感じるが、
意外にしっかりと甘味を感じられる様になり、酸味も心地よく現れている。
加水でダメになる訳では無いので、度数の高いストレートが苦手な方なら勧めるが、
やはりストレートの濃い味わいが良い。
後味
香りにも味わいにも焦げ感はそれ程に感じなかったが、鼻を抜ける香りは焚き火。
味わいは甘味を渋味がしっかりまとめているためか、
あまり長く続かないが、高級家具が快く消えて行く。
総評
長熟モルトにある熟れたメロンやビタミンの様な熟成感をしっかり感じられる、
とても17年とは思えない、複雑な味わいには素直に
「うぉ~、こりゃぁ良いわ~!」と声がでてしまった程。素晴らしい。
(他のイチローズモルトの)ウッドフィニッシュのカードシリーズの味わいが
シンプルに思えてしまう程、これはシングルカスクであるにも関わらず複雑で、
数少ないながらも、今まで出会った羽生のモルトの中では
(価格とのバランスを含めて)最高の味わいだと思った。
時間をかけて2杯程飲む間に、鼻の中は熟したモルトらしいバナナやメロン等の
熟した香りがしっかりこびり付き、本国のモルトに引けを取らない、
モルト本来の素晴らしさを味わわせてくれる。
あまりに美味しいので、購入した武蔵屋さんに2本目を注文しようとしたら、
すでに売り切れだったので(完売が早いっ!)、
発売元の三陽物産へ相談したところ、在庫1本を確保♪
ドリンカーの僕にしては珍しく、2本も買ってしまいました。
2008年10月08日
NO. 1 HANYU 1990 (No. 9511)

The Number One Drinks Companyのジャパニーズウイスキーが、
最近は国内でも流通するようになったので、早速購入♪
羽生のシングルモルト、ミズナラウッドフィニッシュ(1990〜2007年)
Cask No. #9511、55.5%、ボトル数 374本、£95。
なお、ウイスキーマニアックスのウッドフィニッシ部門で世界一になったのは
同じThe Number One Drinks Companyの羽生ミズナラウッドフィニッシュでも
これとは樽違いの、Cask No. 9501(1988年)の物です。
オフィシャルコメント
Nose:
Offers attractive floral characteristics, with malt and fresh fruits,
plus an exotic hint of sandalwood.
The addition of water releases darker, smokier notes.
魅力的な花の特徴、 モルトとフレッシュフルーツ、
エキゾチックなビャクダンを暗示している。
重い水やスモーキーな香りを加えた様。
Palate:
Sweet and comparatively syrupy; apple pie and custard, with more spicy,
citric elements emerging after dilution.
甘くて比較的シロップのよう、スパイシーなアップルパイとカスタード、
加水でクエン酸の要素。
Finish:
Lengthy and pleasantly dry. Ultimately slightly herbal. GAVIN SMITH
長くて心地よくドライ。 最終的にわずかにハーブ。
香り
まず、直火蒸溜原酒が美味く熟成したなっていう感じの
フローラルで華やかなエステルが香り立つ。
そしてウッディな熟成感の中に、リンゴ飴、べっ甲飴、バナナマフィン、熟した梨、
ミルクチョコレート、熟したゴーヤの甘い赤い種。
しっかりした甘さをエステルが確実に包んでいて心地よい。
さらに(顎や口の前程度まで)遠くかざして香ると、鉄分のミネラルを多く含んだ水と、
長熟ミズナラ特有の伽羅香をしっかり感じる事ができる。
9ヶ月のフィニッシュだけでこの香りを出したとは驚き。
味わい
まずはピリリとスパイスが口の中をしっかり刺激し、
次第にアンコ(小豆の砂糖煮)や杏子の甘味を感じ、
やがて「仁」(果物の種の中の柔らかい部分)の渋味に変わって行く。
甘い饅頭にスパイスを乗せてオーブンで焼いたかの様。
加水後の味わい
香りに白州の様な透明感と軽いスモークが引き立つ。
味わいはスパイスが衰えず支配しつつも、ややビターで酸味のあるフルーツ
(何だろう、甘くないキウイ?パイナップル?)を感じられる。
後味
香りだけを楽しんだ後は鼻の粘膜にしっかりモルトのエキスがこびりつく。
飲んで楽しんだ後のフィニッシュは、琵琶の皮や、柿を食べた後味が、
ハーブと共に適度に続く。
総評
香り方を変えただけで違った楽しみがあり、
ミズナラ特有の香りをしっかり楽しめるのは久しぶりで嬉し楽しい。
このモルトは飲む前に時間をかけて香りをしっかり楽しむべきで、
そうする事で得られる香りだけのフィニッシュも中々の趣がある。
兎に角、香りが良いので、味わいの持つ美味しさの評価を忘れてしまいそう。
その後、友人にも感想を聞いた所「ピートが効いている」と聞かされ、
再度飲むとしっかりしたピートを感じた。
ピーティーなモルトを得意としない僕だけに、
ピート感を素で無視してしまっていたみたいで、
その後は終始、ピートに支配された味わいを感じる様になった。
でも、それはそれで趣があって、スモーキーなミズナラ香!を楽しめます♪
よっ、一番屋!!!
2008年09月26日
FOUR of CLUBS

FOUR of CLUBS
Rum Wood Finish
1991〜2007年 58.1% Cask No.#9802 121/266本
昨年の10月に購入したボトル。いつもの如く、
知らない間に発売されて、あっという間に完売していく様子だった。
オフィシャルコメント
色 :ゴールド
香り:香木的なウッディーさ。爽やかなトップノート。
味 :のみ口は軽いが葡萄、ベリー系スイート。意外な余韻の長さ。
香り
乳酸菌とフルーツ、すなわち苺フルーチェの原液。
木の塊かと思う程のウッディに、軽~いピート。
重油やコールタールの様な重さとエステル。
梨、青リンゴ、漆、グリーンピースの青臭い甘味、ビタミン(B)剤、
ラベンダーオイルの爽快感。奥に軽くバニラ。
味わい
市販の安価な苺アイスクリームに、不二家の生クリームといった、
砂糖がベタに入りまくりな感じのコッテリした甘さ。
そこにグレープ味のファンタ(炭酸飲料)の爽快感、レモンの酸味とそのワタの苦み。
軽くビスケット。
加水後の味わい
味わいは加水しても衰える事無く、ストレートと同じ個性を主張し続ける。
後味
漢方薬の様な苦みと重い甘みが、
砂糖掛けのグレープフルーツの如く共存し、爽やかに長く残る。
総評
個性的な甘みが強過ぎる事もあって、どう判断していいか分からなくなる程、
個性的なモルトに仕上がっている。しかしラムと羽生モルトとの出会いは
苺フルーチェ風味として成功しているのは間違いない。
2008年03月26日
THREE of SPADES

イチローズモルトの2007年の夏に発売されたカードシリーズの内の1つ。
相変わらずこの時も、知らない間に発売されて、
あっという間に売り切れてしまった。
蒸留2000年、ボトリング2007年
1st Cask Hogshead
2nd Cask New Wood Hogshead
実測値57.9%
オフィシャルコメント
新樽ならではの色、香りが楽しめる。
バニラや木の蜜、ウッディネス、リッチ 新樽由来の甘み、
アメリカンオークのタンニン。
香り
ウッディだが尖っていて、その木が焦げている感じ。
直火蒸溜のニューポットを使用したと思われるエグ味のあるパンチが明らかで、
乳酸菌飲料の臭いと酸味を感じる。わずかにベリー系の甘味と酸味。
味わい
黒砂糖の強烈な甘味とバニラの香りが舌にまとわり付く。
ビターチョコレートでコーティングした若く青いバナナ。
次第にカレー風味のスパイスや八角(中国料理の香辛料)が出てきて、パワフル。
加水後の味わい
力強さは弱まないが、甘味が引いて、
八角等の香辛料と木やフルーツ皮の様な渋味が出てくる。
直火蒸溜のニューポットのエグ味も分かりやすくなる。
後味
力強いウッディな味わいが消えると、葡萄の皮の渋味、タンニンが現れ、
快い微かなサルファーと共に長く続く。
総評
駒ヶ岳の力強いモルトと、羽生の力強いモルトの、
それぞれの力強さは違って感じていたが、
このモルトは(ベリー系の風味を除いて)駒ヶ岳と似通う力強さを感じる。
力強いけれども爽やかで、もう少し熟成するとフルーツが出てくるような味わい。
しかし新樽故に行き過ぎてしまう前にボトリングされたのだろうとも推測できる程、
木の香りがしっかりモルトに移っている。
2008年02月28日
TEN of SPADES

イチローズモルト・カードシリーズのセカンドリリース分、だったかな?
ほんの少しだけ古い物で、パンチョン樽フィニッシュ。
オフィシャルコメント
色 :褐色がかったゴールド。
香り:スモーキーさを感じるトップノート。
味 :ピーティー&スモーキー、焦がした樽材、複雑な味わい。
長めの余韻としっかりとしたフィニッシュ。
香り
潮っぽいピート、ピート由来の酸味。
さらに弱めのエステルと香木が香りを引き締めている。
味わい
ピート由来の酸味があり、ビターチョコのほろ苦さとカカオ風味。
クリームショコラ。また栗の渋皮の様なタンニンも感じる。
甘味はある物の少なく、軽い塩があってプラム。
酸味もあるし梅干しって事か?
加水後の味わい
酸味とカカオが増してドライに。
さらに加水すると味わいは薄れるが、ピート香とヨードが出て昆布。
後味
コーヒー豆と潮風。しかし長くは無い。
総評
度数が低く飲み易い。
2007年10月09日
Gu Brath 羽生

昨年の春に東京へ出張した際、リカーズハセガワさんで購入したボトル。
疲れていた時、ふと、ボトリングナンバーが笑えたので♪
イチローズモルトとは書いてないけれど、羽生のモルト。
そうそう、店員さんに「マシューDフォレストってどういう意味ですか?」と尋ねた時、
「あの偉大なフォレストさんですよ。フォレストさんが羽生を気に入っておられて、
今回はその彼への追悼のボトリングなんです。」と答えてくれたんだけど、
「こいつはフォレストさんを知らんのか?!」という表情だったのを思い出す。
ごめんなさい、いまだにフォレストさんを始め、ウイスキー界の著名人について
誰がどれだけの影響を与えてきたのか、ほとんど知りません。
香り
ストロベリーの様な酸味、ウッディで甘い香り、ややスパイシー、そしてオイリー。
味わい
最初はスパイシーで強烈なウッディを感じる。
しかしそれはすぐに変化し、刺激が終わると
甘酸っぱいストロベリーが口に広がってくる。
オイリーな口当りが良く、熟成から来るチョコレートも感じられる。
加水後の味わい
極めてフローラル。甘くも無く、スパイシーでも無く、ドライで気品のある香り。
全く違うモルトかと思わせる。
後味
色付いていない青い苺。ドライで短い。
加水した時はモルティな香りを長く感じる事ができる。
総評
手品かと疑う程に、グラスの中でモルトの変化に驚かされる。
ニートと加水でも随分違うので、どちらが好きか意見が分かれるはず。
しかしどちらでも面白く楽しめる。羽生モルト、おそるべし!


