2009年06月16日

一升瓶モルトウイスキー(モンデ)

朝の5時過ぎに、デビューして間も無い僕の畑で暴れる猿の声で起こされ、
茄子、胡瓜とカボチャの一番果を食べられてしまい、
すっかり落ち込んだ朝を迎えました…。

しかし食べ頃のズッキーニに手を付けなかった猿達、
ズッキーニという食べ物を知らないのか?


さてさて、練馬区の有限会社石塚商店のプライベートボトリング商品。
@niftyのデイリーポータルZで紹介されていたので、購入した。

なお、モンデ酒造に確認した所、25年の中で樽の移し変えを行った経緯があるが、
最終的には25年間、樽で熟成したシングルカスクの商品であるとの事。

過去にリリースされたモンデ酒造、プライベートボトルのシングルモルト
石和1983笛吹郷198364カスクストレングス)は
いずれも熟成の途中でステンレスタンクへ移されてしまっているので、
約20年程度の商品であるのに対し、今回のモルトはしっかり25年熟成!


有限会社石塚商店コメント

当店のみの限定販売品!
門外不出・蔵元、幻の25年物
【シングル・カスク・ストレングス】
[1983年・蒸留]
 樽出し、ウイスキー原酒  アルコール度数・64%

「蔵人に愛しみ見守られ、外景の歳月の移り変りを見ることなく、蔵の中で
 ただ、ひたすら熟成の時を刻んで25年..」(モンデ酒造・談)

◎発見、発売迄の経緯
小さな蔵元で、こだわりの職人にて手造りされた、
個性豊かなウイスキーを探し求めていた当店店主は、
蔵人との話の中で、25年もの長い間眠っている門外不出の秘蔵ウイスキーの存在を知り、
当店4代目が蔵元に出向き、試飲吟味の上、再々の交渉を経て、
当店専売として販売することと至りました。

◎特徴。
自然の姿のまま旨味を生かす為に、オリ引き(濾過)のみで瓶詰めしました。
樽出し原酒の特長である、重量感のある力強さを感じる、
「目の覚める様なウイスキー」です。

初めは、ブランデーの様に甘くフローラルな果実の香り。
後から、ピート特有のビターでスモーキーな香りが立ち上がります。
また、一口飲むと、カラメルの様な甘味(旨味)がパッと口の中に広がります。
フルボディなコク、クリーミーで優しい味わい、優雅で柔らかな口当たり。
そして、後味の 余韻がいつまでも甘く長く続く、至極の逸品です。


香り
モンデ酒造のモルトらしいビニールが焼け溶ける臭いに、
バラやキンモクセイのフローラル、石鹸、パフューム、
しっかりとトロミがかった蜜がかかったバニラアイス、
穀物様、酸味の強い柑橘。軽くチョコレート。

本当にモンデ酒造のモルト?!ボウモアと間違えかねない。
直火蒸溜原酒らしい、活き活きした力強さと、
カスクから染み出たウッディな香りが旨みを感じさせてくれる。

味わい
モンデ酒造特有の焦げたゴム臭のピートが効いた、ドライで香ばしいモルトだが、
今まで飲んだモンデ酒造のシングルモルトの中では最もゴムが少なく飲みやすい味わい。
クドイが驚くほどにゴム臭が抑えられていて飲みやすい!
とは言え64度のアルコールのパンチはエステルと共に舌に重くのし掛かる。

エステルの重みをともなったビターなビスケットに、
しっかりとした、みかんの酸味とリンゴの甘味、ハチミツとザラメの甘味、
焦げたトーストの香ばしさ、軽くチョコレートと硫黄が重なる。
そして鼻から抜けるみかんとリンゴの、濃厚で甘酸っぱい香りを、
パワフルながらも心地よく楽しめる。しかも個性も甘味も濃厚。

加水後の味わい
香りに焦げたゴム、焼け過ぎた麦と、みかんやレモンの柑橘が開く。
味わいは暖かい甘味を感じた後、酸味を伴った苦みと同時に麦の穀物様も増し、
焦げた麦の炭が口を支配する。

ただし、加水すればするほど焦げたゴムが繁殖し、がっかりするので加水量に注意が必要。
40度を下回る加水ではダイオキシンが発生します。
余りの強烈な臭さに笑いが止まりません!

後味
キンモクセイのフローラル、そしてハチミツとザラメの甘味が長く続く。
焼け溶けたビニール臭が軽く、甘いと、キンモクセイに化けるのが不思議。

総評
今までに笛吹郷石和等のモンデ酒造のモルトでノックアウトさせられてきた、
「ほとんどの皆様(笑)」に
「えっ、これモンデ酒造のモルト?!、前のヤツよりずっと美味しいじゃん!」
と言わせたい程に飲んでいただきたい、モンデ酒造のシングルカスクモルト。
25年という長期熟成らしさは感じ難いが、素直に個性とその良さを認めたい。

何よりも25年熟成カスクストレングスの
ジャパニーズシングルカスクモルトウイスキーでありながら、
1,800mlで1万円を切る価格設定には、マイナーが故のお得感がいっぱい。

濃厚な味わいだからといって、加水したり、ソーダで割ったりすると、
ゴムが溢れてでてきて「エライ事!」になるので気を付けたい。
その点、64度のカスクストレングスでボトリングした石塚商店さんの選択は正しかった。

一升瓶のウイスキーは初体験だが、グラスに注ぐと、
あっという間にフルショット(40ml)は注がれてしまう!にも関わらず、
瓶の中にはまだまだ大量のウイスキーが!!!(笑)
一升瓶、恐るべし!   

Posted by katotomoComments(8)TrackBack(0)─ モンデ

2009年02月13日

パイナップルウイスキー その1


昨年、我が家にパイナップルウイスキーを3本並べる機会に恵まれた。

中央はモロゾフ酒造株式会社の「クリスタルウイスキー」。

東邦酒造株式会社が社名をモロゾフ酒造株式会社へ変更した1960年6月から、
さらにモンデ酒造株式会社へ社名変更する1972年7月までの期間に製造販売された物。

両サイドの2本は、昨年ボトリングされたプライベートボトルの、
モンデ酒造のウイスキーで、シングルモルトとブレンデッドウイスキー。


今回はこの中のシングルモルトをテイスティングしてみようと思います。

このシングルモルトウイスキーは2つの樽のモルト原酒がブレンドされており、
1樽は1982年〜2008年の26年もののモルト原酒。
もう1樽は1983年〜不明(途中タンクへ移された)の年数不明のモルト原酒。

アルコール度数は64度。この64という数字にボトラーのこだわりがある。
200本弱のボトリングだが、一般的な販売は原則として行わなかった。


香り
蜜蝋。アロエの葉を噛んだ時のジューシーな渋味と甘味。
みかん様のこってりとした柑橘系の甘酸っぱさ。
酸味が豊かなピート。強過ぎるエステルはセメダインの有機臭。
軽く焼け溶けたゴム。イグサの青臭さ。
奥の方に蜂蜜、パイナップル、グレープフルーツ、ビスケットを感じられる。

味わい
しっかりとしたピートの中に畳をかじったかの様な青臭さ、
海臭さを抜いたホヤ貝の渋味と旨みや甘味、
そして出来立てのゴム製品が、口の中で一気に広がり、カルシウムを感じつつ、
2m以上はあろうかと言う長いゴムチューブが鼻からじっくり抜けて行く。

加水後の味わい
ゴム臭は衰えないが、有機臭が和やらぎ、墨汁、錆び、煤、レモン、アザミ(花)の香り。
味わいはカルシウム的な味わいを持ち、スモーキーで辛味が増すが、
次第にオレンジジュース系清涼飲料水の様な、透き通った甘味が表れてくれる。

後味
強烈なゴム臭さが消え、無糖のシリアルを食べた後の
ビターながらに旨い穀物様がしっかり残る。
そして軽いタンニンとともに適度に続く。

総評
「みかん、畳、溶けたゴム」のモンデの原酒らしさがしっかり表れているシングルモルト。
2008年にリリースされた3つのモンデのシングルモルトの中では
トップのジューシーな香りを放っている。
加水後の味わいに「何とか収まってくれた」という安堵感があるのはありがたい。

昨年3つのモンデ酒造のシングルモルトを飲む事ができ、しばらくして思った事は、
モンデのモルトは秩父ニューボーンNew American Oak Hogsheadの味わいプラス、
ピートで燻したモルトの方向性に近いという事。

独特の臭みがありつつも、麦の旨みをどこかで感じられずにいない、
不思議な味わいを持っている。
ただ、ゴムと青臭さという万人ウケしない個性があり、
他人にお勧めするにはちょっと辛いかもしれない。
  

Posted by katotomoComments(0)TrackBack(0)─ モンデ

2008年11月25日

シングルモルト石和 Vintage1983


先週発売されたモンデ酒造のシングルモルト石和(いさわ)ヴィンテージ1983。
先週末、我が家に届きました。

独特なボトル形状と、660mlという変わった容量です。

笛吹郷1983と同じく熟成年数は不明ですが、
笛吹郷1983と同じ?なら、樽からステンレスタンクへ移されているので、
樽熟期間は20年程度のはずです。

ラベルの説明
洗練された甘い樽熟成香と穏やかなピートの香りの絶妙なバランス、
重厚なコクと豊かな味わい、いつまでも続くなめらかな余韻をお楽しみ下さい。


香り
いわゆる美味しい「エステリー」とは全く方向性が違う、
まるでセメダインのエステル(有機臭)、ディーゼルカーの排ガス、
焦げたゴムやカルシウム、靴墨、柔道場(新素材の樹脂製の畳)、
レモンの酸味、スミレのフローラル。その中で「みかん」の予感があり、
笛吹郷1983と方向性が全く同じで、それが軽やかになった感じ。

味わい
ゴム臭さが目立ち、口内はしばらく支配される。
稲穂程度の穀物様、軽い酸味や甘味と、ターメリックや生姜の辛味を感じるが、
カルシウム的で、総じてビター。

加水後の味わい
香りには独特の臭いが薄まるが、味わいに苦みが引き立つ。
食した事は無いが「蛾ってこんな味?」という苦み、渋味。

後味
カルシウムと煎り胡麻を振った、出来立てのポリエチレン容器。
しばらく経ってやっとこのモルトが持つ清涼飲料水系の甘味を感じる様になる。

総評
笛吹郷1983で「ちょっとな…」と思っていた分、
新発売の本ボトルに期待をしていたが、
笛吹郷1983と同じ方向性ながら、唯一の良点である「みかん様」が足りない、
少し残念な結果となってしまった。

ただ、フォローするならば、独特なボトル形状と味わいを感じながら、
障子が綺麗な和風建築の畳が敷かれた和室に居る事を思い浮かべられる。
あとはカレーライスのお供としてマリアージュできるモルトかな?という感じがした。  

Posted by katotomoComments(2)TrackBack(0)─ モンデ

2008年06月27日

笛吹郷 Vintage1983


僕が尊敬する関西の先生から「モンデ酒造のシングルモルトがある」と聞きつけ、
それなら!と、勝手に探し出して購入した、モンデ酒造のシングルモルト
「笛吹郷(うすいきょう)」。

1983年に蒸溜され、約20年前後樽熟成を経た後、
タンクにて保管されていたモルトウイスキーを、とある酒店が購入し、販売している。
アルコール度数64%のカスクストレングス。

オフィシャルコメント
1983年山梨県のモンデ酒造で蒸溜されたこのシングルモルトウイスキーは
豊かな自然の中、四季を数え、時を重ね、静かに熟成されてきた貴重な原酒を
そのままの度数で瓶詰しました。
原酒本来の味わいをお楽しみください。
お好みで加水しても香り味わいが花開き美味しくいただけます。


香り
走り屋が過ぎ去った夜の峠(焦げたオイル、溶けたゴム、排ガス)、
百貨店の靴売り場(新鮮なゴム)、焼き過ぎたトウモロコシのコクと炭、
お酢、スミレ、蒟蒻の花やクワズイモの花のフローラル、
おがくず、軽くアンモニア。個性的。

味わい
一瞬、穀物の旨み、煎り豆の香ばしさ、酸味を帯びたピート感と甘味が
濃い目にパッと口の中に広がるが、すぐに灰の灰汁(アク)のエグ味に変わる。

加水後の味わい
香りに変化は感じられないが、
味わいに香ばしさ強めのフルーティーなビールの様な旨さを感じられる。

後味
フローラルな香りと、それとは結びつかない、カルシウム的な不思議な後味。
しかし1杯以上飲み続けると、焼きミカンの生暖かい甘酸っぱさと
微妙な皮の焦げ具合、さらにカラメルも合わせて楽しむ事ができる。

総評
ダイオキシンや芋焼酎的な香りには、ニュージーランドのシングルモルト
「The CoasteR」やウイスキー「Hokonui」を思い出したが、
それ程に強烈では無かったものの、香り、味、後味ともに極めて個性的なのは確実。
この個性については好き嫌いが分かれそうだが、僕としては得意としない感じ。

大変珍しく貴重なモンデ酒造のシングルモルトだが、プライベートボトルである故に、
オフィシャルの味わいでは無い可能性が高く、評価に悩むところ。
年内に発売されるかもしれないという噂のオフィシャルのシングルモルトに期待が膨らむ。  

Posted by katotomoComments(11)TrackBack(0)─ モンデ